50ペンス

部屋は狭いですが、ロケーション抜群の宿。どこへ行くにも楽ちんです。劇場街を抜けて、テムズ川へ向け、左に騎馬兵の司令塔、ホース・ガーズ、右にセント・ジェームズ・パークを見ながらぶらぶら散歩。途中で立ち寄った公園内の公衆トイレ。50ペンス。そうだ、有料だった。すっかり忘れていましたが、その時は小銭の持ち合わせ無し。どうしたものかと思っていると、入口脇から清掃係らしき、体格のいい女性が出てきて、人差し指で、こっちいらっしゃい、の合図。紙幣を渡すと、100%無愛想におつりをくれました。用を済ましてトイレを出るとき、彼女に御礼を言って紙人形を差し出すと、怪訝そうな顔で受け取りながら「これはどうやって使うの?」と彼女。「本のしおりや、メッセージカードでもいいと思います。」と私。少し笑って、「ふーん」と彼女。紙人形は以前朗読のお客様からいただいたもの。ロンドンで親切を受けた時の御礼に使おうと持ってきました。彼女は、おそらく外国人労働者。私ほど「嬉しかった日」じゃなくてもいいから、彼女にも「少し嬉しかった日」になっていたらいいなぁ。