完敗

忙しく通勤・通学の人たちが行き交う立川駅。いつも通りのその光景に、今朝は小さな事件がありました。ピ、ピのタッチ音のリズムに合わせて、自動改札を流れる人波。そこにエラー音が響きました。珍しくはありません。およそ料金不足か、タッチが不十分かそんなところ。誰もあまり気にも留めない。私もそんな一人ですが、今朝はたまたま音の方へ目をやると、たいそう長身の外国人男性がエラー源らしく、閉じた改札ドアが彼の通過を阻んでいました。日本人なら、たいがいここは引き返す。でも彼は違いました。ひょいと軽々とドアを跨いだのです。しかも跨いだドアの上には、向こうの景色が見えるぐらいまだまだ余裕たっぷり。男性はゆっくりと駅員さんのいる改札へ向かいました。最後までヨユー。哀れ、日本人仕様の自動改札。対足長ガイジンさんへの無力さを露わにしてしまい、すごすごと何もなかったように、後に続く多くの日本人のために再開扉。例えるならば、微量の敗北感。そんな心境をチラリと味わった朝。